「退職代行モームリ」社長ら逮捕報道から考える――退職連絡の“代行”と“交渉”の境界線

今回は急遽、昨年のコラムでも触れました退職代行業者への対応について、改めて述べたいと思います。

2026年2月3日、退職代行サービス「モームリ」を運営する会社の社長らが、弁護士法違反(弁護士への違法なあっせん等の疑い)で逮捕されたと報じられました。報道によれば、退職希望者の勤務先との交渉に関わる法律事務を、弁護士資格のない立場で有償で紹介していた疑いがあるとされています。

退職代行は労働者本人が「退職の意思表示を伝える」ことを助けるサービスとして爆発的に広がりました。一方で、会社側と退職日・未払い賃金・有給消化・私物返却・損害賠償の有無などを“詰めていく”場面は、実質的に法律交渉になり得ます。ここに、弁護士以外が踏み込み過ぎるとこのような法的リスクが生じます。

例えば、従業員が退職代行を利用し「今日から出社しない」「有給を全日消化したい」と連絡が来た場合、会社としては就業規則・時季変更権・引継ぎ・貸与物の回収など確認事項が多くなります。このとき、代行業者が会社と条件の折衝を続けると、トラブルが拡大しやすいのが実務です。会社側は感情的に応じず、窓口一本化・書面化(メール等)・事実確認を徹底し、争点が出たら早めに専門家へつなぐのが安全です。

改めて退職代行の注意ポイント

  • 退職代行は「通知」中心に留め、条件交渉は弁護士等の領域になり得る
  • 企業側は“誰が何を言ったか”が争点化しやすいので、記録を残して冷静に対応
  • 退職代行はあくまでも退職意向を伝える、のみが認められている

上記コラム内容に関するトラブルやお悩み事があれば、みどり社会保険労務士事務所までお気軽にご相談ください

引用元(報道)

  • 共同通信配信記事掲載:熊本日日新聞「『退職代行モームリ』社長ら逮捕 弁護士に違法あっせん疑い」(2026年2月3日)
    URL: https://kumanichi.com/articles/1953185

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