違法残業だけでなく「休憩未付与」も送検に――運送・現場型企業が見落としやすい落とし穴

寒さもだんだんと一区切りを迎えたかと思えばまだまだ肌寒い日も続きますね。

今回は労働時間と休憩時間について述べたいと思います。

大阪労働局の西野田労働基準監督署は 2026年2月6日〇〇運輸株式会社(巻末資料には会社名記載あり)、ほか2名について、労働基準法違反の疑いで大阪地方検察庁へ書類送検したと公表しました。内容は、自動車運転者2名に対し、36協定(時間外・休日労働協定)の延長時間を超える時間外労働を行わせた疑い(労基法32条)と、労働時間が8時間を超えるのに少なくとも1時間の休憩を「途中に」与えなかった疑い(労基法34条)です。

中小企業で起こりやすいのは、「運行が押した」「荷待ち・渋滞があった」などの事情で、休憩が実質的に後ろ倒しになり、結果として休憩なしで連続して働いた扱いになってしまうケースです。たとえば、午前中に積込み→長距離走行→午後の納品が詰まっていると、休憩を取らせるつもりでも「到着してからまとめて休む」運用になりがちです。しかし法令上は、労働時間が6時間を超えた時点で休憩は労働時間の途中に付与が原則です(単に“どこかで休憩”では足りない場面があります)。

また、36協定は「締結・届出していれば安心」ではなく、協定で定めた延長時間の上限を超えた時点で違反となります。繁忙期の増便や急な欠員が出たときほど、運行計画と勤怠の突合(上限超えの予兆管理)が重要です。

注意ポイント

  • 36協定の上限(延長時間)を月中で超えない仕組み(警告・承認フロー)を作る
  • 休憩は「まとめ取り」になっていないか、途中付与になっているかを運行・勤怠記録で点検する
  • 荷待ち等を休憩扱いにする場合は、実態として労働から解放されているか(指揮命令下にないか)を確認する

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引用元:西野田労働基準監督署(大阪労働局)Press Release「労働基準法違反の疑いで書類送検(違法な時間外労働を行わせたこと及び法定の休憩を与えなかったことの疑い)」(令和8年2月6日)
URL: https://jsite.mhlw.go.jp/osaka-roudoukyoku/content/contents/2026020908301.pdf

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