最低賃金を下回る賃金設定は「合意していても無効」――5か月分・7名で書類送検から学ぶこと

2026年も3月に入りました。暦の上ではもう春なのですが、まだまだ実感がわきませんね。

今回は最低賃金制度について改めて述べさせていただきます。

会津労働基準監督署は2026年2月18日、福島県南会津郡只見町の製菓会社および同社代表取締役について、最低賃金法違反の疑い田島区検察庁へ書類送検したと公表しました。内容は、労働者7名に対し2025年1月分〜5月分(1/1〜5/31)の定期賃金(合計約340万円)を、それぞれの所定支払日(翌月末日)に支払わなかった疑い、さらに7名中6名については同期間の賃金額を時給829円〜954円で定め、福島県最低賃金(時給955円)を下回っていた疑いがある、というものです。福島県最低賃金は、2026年1月1日から時給1,033円に改定されています。

中小企業では、繁忙期の人員確保のために「時給を少し抑えて、その分シフトを増やす」「皆が納得しているから大丈夫」と運用してしまう例があります。しかし最低賃金は、労使が合意しても下回る部分は無効で、法律上は最低賃金と同額を定めたものとみなされます。さらに、未払いが生じると「資金繰りが厳しかった」という事情があっても、従業員の生活に直結するため、結果としてトラブルが拡大しやすいのが現実です。

今回の注意ポイント

  • 最低賃金を下回る賃金設定は、たとえ労使双方で合意しても無効(不足分の支払いが必要)
  • 給与は「支払日までに払う」が原則。遅配・未払いはリスクが急上昇
  • 賃金台帳・勤怠・振込記録を整え、改定時(毎年)に時給・手当・端数処理を再点検

今回のコラム内容に関するトラブルやお悩み事があれば、みどり社会保険労務士事務所までお気軽にご相談ください

引用元(ソース):会津労働基準監督署(福島労働局)Press Release「最低賃金法違反容疑で書類送検―5か月分の賃金不払いの疑い―」(令和8年2月18日)
URL: https://jsite.mhlw.go.jp/fukushima-roudoukyoku/content/contents/002568610.pdf

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